建築積算について
建築積算の業務

建築積算とは建築物における総工事費の算出を目的とした業務となります。
文字にすると簡単ですが、実際の作業は専門の知識、様々な技術、そして多くのプロセスを経る必要のあるプロフェッショナルな業務となります。
以下、積算での基本知識をご紹介します。
数量積算(拾い)

数量積算とは設計図書より項目(材料や施工手間)の数量を計測して計上する作業です。
図面から項目を計測計算する作業は、通称拾い【ひろい(ひらい)】と呼ばれ積算業務の最も基本となる作業となります。
これら拾いの作業は厳守すべき「数量積算基準」と呼ばれるルールブック存在し、これらに従って作業することが積算従事者にとっての大前提となります。
設計内訳書の作成(値入)

工事費が掲載される書類です。工事費以下の明細が数階層に渡り記載されています。単に「内訳書」や「設計書」と呼ばれることもあります。
数量積算で拾った項目/数量を「内訳書標準書式」と呼ばれる専用の書式に従い計上していき、項目毎に単価を設定、そして数量と乗じて金額を算出します。これら金額を算出する作業をを通称値入【ねいれ】と呼びます。
一つ一つの金額を積上げて工事費が算出するこれら一連の業務のことを「積算」と呼びます。
積算の必要性

積算業務は多額な金額が投入される建築工事において公正な工事費を把握するということが最も大きな存在理由と言えるでしょう。
設計と予算で乖離があった場合の検証等も積算の役割の一つとされております。
さらに数量積算で算出されて項目/数量も実際の工事に活用されるという取り組みを実施している機関も存在することから、多岐にわたって積算という分野が求められていることがわかります。
業務フロー
ここでは音月における一般的な積算業務の流れをご紹介します。
※以下、実施設計における建築積算の場合です。
依頼者から弊社へ図面や仕様書、発注者の委託用資料等を送付してもらいます。
必要であれば受領した資料一式を元に成果品やスケジュール等の確認をします。
図面から項目・数量を拾い出します。ここで疑義が生じた場合、依頼者へ質疑回答をお願いします。
ここで作成される成果品
- 数量算出書(計算書/集計表/拾い資料等)
- 数量調書
刊行物や専門業者の見積等を元に単価を設定していきます。
ここで作成される成果品
- 単価比較表(見積比較表/単価根拠資料等)
- 設計内訳書
依頼者に成果品(仮)を一旦納品します。
ここでは発注者含め内容を確認してもらい修正が必要な箇所があれば修正作業を行います。
建築積算の成果品
設計内訳書・単価資料
設計内訳書(内訳書・設計書)
工事費をはじめ各種明細がツリー構造となって記載された成果品です。積算において内訳書を作成することが最終目標となります。
また、公共工事におけるほとんどの物件が
と呼ばれる内訳書作成システムを利用することが定められております。

単価比較表
単価根拠として使用する刊行物(市販の単価掲載書籍)や業者から徴収したの見積書を複数比較するための一覧表です。発注機関によって比較方法・採用方法は様々なため要求に応じた資料作成を行います。

代価表
設計内訳書に付属する単価資料の一つです。刊行物や業者の見積書では表現できない項目の単価根拠として添付される資料です。その用途は様々ですが複数の単価を組み合わせて使うことが多いです。
(例:仮設賃料と手間の単価を組合わせる)

数量調書・数量算出書
計算書(各種)
図面から拾いを行った計算過程を記載した資料です。図面の一番近い資料です。その種類は用途に応じて様々です。
代表的なものは以下の通りです。
- 躯体(RC)計算書
- 鉄骨計算書
- 内部(仕上)計算書
- 外部(仕上)計算書
- 建具計算書
- etc…

集計表(各種)
計算書を用途別に集計した資料です。内訳書の形に近づけるのが目的ですが、数量のチェックにも使えます。
階層構造になっている場合が多いです。
■ 工種別集計表
┣ 部位別集計表
┗躯体集計表
┗階別部位別集計表

数量調書
工種別集計表から得られる項目/数量を設計内訳書の形にまとめた成果品となります。
「金抜きの内訳書」と呼ばれることもあります。その名の通り、単価の入っていない状態の内訳書です。

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「Es_Pro_2022」は建築積算のプロ専用の積算システムです。
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